シャトゥーン ヒグマの森

シャトゥーン ヒグマの森 (宝島SUGOI文庫) (宝島社文庫)

シャトゥーン ヒグマの森 (宝島SUGOI文庫) (宝島社文庫)

 十二月三十一日
 北海道大学天塩研究林─。

 他人様のブログの書評で“天塩研究林”なんて単語を目にして、無茶苦茶驚いたので思わず購入。北海道大学天塩研究林でヒグマに襲われるパニックホラー小説でした。
 学生の頃の研究地が、作中にも出てくるお隣の“中川研究林”ってところで、天塩にも何度か足を運びました。もう作中の単語に懐かしい記憶を喚起させられることしきり。「秀岳荘でアウトドアグッズ購入」とか無駄にローカルな単語に目を細めたり。懐かしいなあ…
 チシマザサのブッシュ、ブッシュ連呼されてますが、あの辺りの森林は割と密度が低いので、ホント一面笹野原です*1。ササの高さが2m近くあって夏に歩くと死ねます。あまりにササが高すぎて、ササを漕いで進んだら眼前2mくらいでヒグマのお尻と遭遇してしまって、そのまま逃げ帰ったという先輩もいました。天塩研究林でのお話。
 僕自身は、幸いにして野生ヒグマとの遭遇は、マイクロバスですれ違った1回のみ。50mくらい併走されて、もし森で遭遇したら死ぬと心底思いました。
 とまあ、そんな個人的に懐かしい気持ちになった小説。クライマックスのシーンだけは、何度か宿泊した場所の割には今一ロケーションがはっきりしないんだよな…

*1:基本的に雪が積もったラインまでササが枯れずに残る…ので密度が低い森だとササが凄いことになります