新日本プロレス G1 CLIMAX 2005 決勝 藤田和之 − 蝶野正洋

爆勝宣言のイントロが流れた瞬間に、涙で前が見えなくなりました。
その後クラッシュが鳴り響き蝶野が入場してきた瞬間、国技館が揺れました。
誰もが一度は思い描いたシーンがここに。


試合は何というかプロレスとしてはお粗末だったかもしれません。
ただ、スピアーを空かして場外に転落させたり、
場外で膝蹴りを避けて鉄柱に自爆させたり、
4点ポジションからの膝蹴りwithニープレスを逆に蝶野がしかけたり。
頭から終わりまであらゆる点においてプオタファンタジーが現出した試合だった気がします。
アントニオ猪木異種格闘技戦や、90年代の対UWF…
そういや新日本プロレスお家芸ってこういうファンタジーですもんね。


奇しくも終盤は、7.26全日本プロレス代々木大会と似ていて正反対のシチュエーション。
天にプロレスLoveポーズを掲げラリアットを受け続けた武藤敬司
天を指差しシャイニングケンカキックを連発した蝶野正洋
未来を信じて後進に全てを託した全日本プロレスと、
今しか出来ないことをリングで体現した新日本プロレス
どちらが正しいのかは分かりません。ただどちらの興業も幸せな気分になりました。


試合後、蝶野はマイクでこう語りました。
「何かもう一つ違う力が、後の背中を後押ししてる。」
この言葉が冗談でも誇張でもない真実なのが、プロレスの魅力の一つだと思います。