職業欄はエスパー

「…さっき気付いたんですけど、最近の三人には共通項があるんです。」

森達也・著。角川文庫。
超能力を「信じる」か「信じない」かと問われたら、
信じたいけど信じられないとしか答えられなそうです。
どんな映像でも、マスメディアを通して見たら、
きっと信じる事は出来ないでしょう。
僕は、きっと、そういう世界に生きてきたと思います。


本作は、超能力ではなく“超能力者としての人生”を送った三人を追ったドキュメント。
超能力が真実か否かはともかく“人ならざるもの”とされた人生は確かにそこにあり。
そんな彼らを“人ならざるもの”たらしめるのは、やはりマスメディア。
森達也さんの作品はマスメディアに対する僕の知らない視点を、こっそり教えてくれます。