「A」マスコミが報道しなかったオウムの素顔

「何を撮ってるんですか?」
「外の社会を撮っています」

森達也・著。角川文庫。
オウム真理教のドキュメントを撮る”
…そんな目的で作者が回したカメラが捕らえたのはオウムを映すマスコミの姿。
信者の報道されない日常を描くはずの作品は、
誰も撮ろうと思わなかったマスコミを映す作品へと変容していく。
公正中立でものは作れないとする作者の主張と、
時折のぞく作者の迷いにぐいぐいと引き込まれます。
やっぱりマスコミは怖いね、しかし。


ドキュメント映画「A」の撮影日誌だそうです。
「A」が近くのビデオ屋でレンタルしてないので、こっちを読んでみたり。
従来のマスメディアを離れてオウム真理教に深く切り込んだ森監督の結論、
それは「何もわからないことがわかりました」だそうで。
うーん、映像作品のほうも見てみたいぞ。