ガンドッグ「何日君再来」
今宵別離後 何日君再来
・愚か者達のキャラクターメイキング
コピーしてきたチャート類の整理に余念のないGMの横で、
配布されたサンプルキャラクターと一冊のサプリメントを見比べ考え込むプレイヤー達。
「使えますかね?」「被ってるデータ無いから大丈夫だと思うけどね」
サプリメントは「ナイトウィザード ソースブック ロンギヌス」。
昨日、先輩からこっそりとお借りしてきた逸品です。
そういうわけでロンギヌス掲載の萌えヒロイン作成チャートを使って
キャラメイクを始めるぼんくらプレイヤーたち。
題して『ドキッ! 萌えヒロインだらけのガンドッグ』。
当然、GMには事後承諾してもらいます。苦労かけますね。
そういうわけで、今回のキャラクターは以下の面々。
ミルフィーユ 小笠原(31歳・♀・露日ハーフ)
「電波・わがまま」プロフェッサーにしてチームリーダー。
銀髪ボブカットのスレンダーな美女。実は異世界からの使者らしい。
こんなリーダーに「Youたちは間違ってマース」とか言われると、ガンドッグな雰囲気は台無しですよ*1。
研究の延長で傭兵を続けているらしいよ。
米・きらら:397(28歳・♀・日系インド人)
「田舎っぺ・優雅」アムリタ。額に『米』と書いてあるよ。
医療兵なのに何故かチーム最強の戦力を誇るベリーショートのお姉さん。
弱い人を守るため強くなったはずなのに、今は手段と目的が入れ替わり普通に傭兵中。
語尾が「〜ナリ」なので、会話すると緊張感がなくなります。
実はあぶなかっしい印象のインド巫女。…なんだそれは。
ゴースト=パピルス(25歳・♀・エルサレムのストリート)
「世間知らず・ボーイッシュ」バイパー。
実はポニーテールの幽霊。幽霊なので世間知らずなのかな?
ストリートから這い上がるために力をつけ傭兵になりました。
エルサレム出身なのでヘブライ語をあやつります。役に立たなそうな。
一人称「me」二人称「あなた」 語尾「〜ぜよ」という統一感のなさが気になります。
レッサ パンダ(24歳・♀・北米在住華僑)
白銀の長髪をなびかせ戦う子供っぽいブリッツ。「わたくしは傭兵なのです」とか喋ります。
「負け癖・ドジ」という傭兵らしからぬ属性が光ます*2。
なんと「世界滅亡の鍵」らしい。えー
そういうわけで、その体内のウィルスが世界に蔓延すると世界は滅亡するそうな。
感染経路はとりあえず秘密。けど病名は忘死病。忘れて死にます。
トリシマ・オキノ(30歳・♀・日系ブラジル人)
赤いツインテールで前線を駆ける第二の司令塔。クインビー。
属性は「真面目・ミリタリー」。ミリタリーと軍人が別に用意されてるのがこのチャートの妙。
湾岸戦争の最中に造られしものらしい。なんだそのファンタジーは。
おとなしい印象ですが結構喋ります。けど言葉に詰まると「はわ〜」と叫びます。
双子の姉の「トリシマ・ミナミ」を探しているというのが決して明らかにされそうもない裏設定。
ナンニチ キミ サイクル
などと本気でシナリオタイトルを読み間違えるGMに不安を覚えつつ、セッション開始。
以下、ちょこっとプレイレポ。シナリオ片手に読んでください。
シナリオ冒頭、各地から東京へと集められる獣達。
コーディネータから指示されたミッションは「誘拐された子供の救出」。
子供の母“吉田真冬”が誘拐犯に身代金を渡す際に子供を救出せよ、との事。
引渡し場所に到着は、驚きのミッション予定時間一時間前。
「Youたち、準備はいいでーすか?」
「子供を助けるナリ」
「……はわー」
などと普通に会話をするだけで、なんだか不思議な感じです。
これが萌えヒロインチャートの威力なんでしょうか。
ともあれ、無事ミッション解決。そのまま次の仕事の依頼を受け台湾へと飛ぶ獣達。
大人限定中華風ディズニーランド
愚か者達の宴
さて、ここでこのシナリオは一つの終わりにたどり着きます。
姉の秋子の消息が分かった事で、吉田真冬は納得し日本に帰ると言います。
この後、セッションを続けるか否かは、プレイヤーとキャラクターに委ねられます。
今回の獣達の場合。
キャラクターの半分はミッション終了と考え、残り半分はそう決断することに迷いを感じました。
プレイヤー達は、この“愚かな”選択肢を前にどうしたものか困ってしましました。
しばらくの間、逡巡する時間が流れた後、あるプレイヤーが笑顔でこういいました。
「多分、最後までこのシナリオ遊ばないと後で後悔すると思いますよ*1。」
この言葉で、プレイヤー達の決断は決まってしまいました。
「プレイヤーはキャラクターの第六感である。」
ロールプレイングゲームの達人にあるゲイリー・ガイギャックスの有名な言葉です。
そして、ここからは第六感に導かれるまま、なんとかしてキャラクター達が
愚かな決断をするようプレイヤー達の苦闘が始まるわけです。
何故、このキャラクターが普通では考えられないような決断をするのか。
プレイヤー達はキャラクターの経歴を考え、主張を考え、キャラクター達に会話を重ねさせてみて……
そうすることでキャラクターもプレイヤーも、皆、愚か者になれました。
*1:当然、後悔するのはプレイヤー
雑感
今回のシナリオは、僕が当初想像していたガンドッグの世界とは、やや違っていました。
もしかしたら、ガンドッグの熱心なファンが遊んだら、怒るんじゃないかと思います。
ちなみに、僕の周囲でこのシナリオを遊んだケースでは、
あるチームは“「捜索」ターゲットレンジシート”に負けて、何も分からぬままシナリオ終了。
あるチームは、愚か者にならずにシナリオ終了、とのことでした。
僕らの場合、シナリオのエンディングまで至った段階で、大笑いして
皆で歓声を挙げて喜びました。なんとなく懐かしい気分になるセッションでした。
「出来る事なら何度もガンドッグでセッションを重ねて、
最後の最後でこんなシナリオで締めたら最高に面白いだろうなあ」というのが、
僕の一番の感想です。そう主張したら、後輩に思い切り否定されましたけど(笑)。