愚か者達の宴

朝起きるなり、研究室の友人の家を辞去して後輩の家に。
久しぶりのTRPGセッションです。
この度のシステムは「ガンドッグ」、
シナリオはRole&Rol vol.12より「何日君再来」。


セッションを終えて帰宅したら、日付が変わっていました。
眠たい目をこすりつつ、遠い北海道の空を思い出しつつ…


わざわざ遊びに行った甲斐のある素敵なセッションでした。
以下、ちょこっとプレイレポ。
ネタバレにつき未プレイの方は絶対読まないで下さい。
勿体無いから、まず一度遊んで下さいね、ホント。絶対。お兄さんと約束だよ。

ガンドッグ「何日君再来」

今宵別離後 何日君再来


・愚か者達のキャラクターメイキング
コピーしてきたチャート類の整理に余念のないGMの横で、
配布されたサンプルキャラクターと一冊のサプリメントを見比べ考え込むプレイヤー達。


「使えますかね?」「被ってるデータ無いから大丈夫だと思うけどね」


サプリメントナイトウィザード ソースブック ロンギヌス」
昨日、先輩からこっそりとお借りしてきた逸品です。
そういうわけでロンギヌス掲載の萌えヒロイン作成チャートを使って
キャラメイクを始めるぼんくらプレイヤーたち。
題して『ドキッ! 萌えヒロインだらけのガンドッグ
当然、GMには事後承諾してもらいます。苦労かけますね。
そういうわけで、今回のキャラクターは以下の面々。


ミルフィーユ 小笠原(31歳・♀・露日ハーフ)
「電波・わがまま」プロフェッサーにしてチームリーダー。
銀髪ボブカットのスレンダーな美女。実は異世界からの使者らしい。
こんなリーダーに「Youたちは間違ってマース」とか言われると、ガンドッグな雰囲気は台無しですよ*1
研究の延長で傭兵を続けているらしいよ。


米・きらら:397(28歳・♀・日系インド人)
「田舎っぺ・優雅」アムリタ。額に『米』と書いてあるよ。
医療兵なのに何故かチーム最強の戦力を誇るベリーショートのお姉さん。
弱い人を守るため強くなったはずなのに、今は手段と目的が入れ替わり普通に傭兵中。
語尾が「〜ナリ」なので、会話すると緊張感がなくなります。
実はあぶなかっしい印象のインド巫女。…なんだそれは。


ゴースト=パピルス(25歳・♀・エルサレムのストリート)
「世間知らず・ボーイッシュ」バイパー。
実はポニーテールの幽霊。幽霊なので世間知らずなのかな?
ストリートから這い上がるために力をつけ傭兵になりました。
エルサレム出身なのでヘブライ語をあやつります。役に立たなそうな。
一人称「me」二人称「あなた」 語尾「〜ぜよ」という統一感のなさが気になります。


レッサ パンダ(24歳・♀・北米在住華僑)
白銀の長髪をなびかせ戦う子供っぽいブリッツ。「わたくしは傭兵なのです」とか喋ります。
「負け癖・ドジ」という傭兵らしからぬ属性が光ます*2
なんと「世界滅亡の鍵」らしい。えー
そういうわけで、その体内のウィルスが世界に蔓延すると世界は滅亡するそうな。
感染経路はとりあえず秘密。けど病名は忘死病。忘れて死にます。


トリシマ・オキノ(30歳・♀・日系ブラジル人
赤いツインテールで前線を駆ける第二の司令塔。クインビー。
属性は「真面目・ミリタリー」。ミリタリーと軍人が別に用意されてるのがこのチャートの妙。
湾岸戦争の最中に造られしものらしい。なんだそのファンタジーは。
おとなしい印象ですが結構喋ります。けど言葉に詰まると「はわ〜」と叫びます。
双子の姉の「トリシマ・ミナミ」を探しているというのが決して明らかにされそうもない裏設定。

*1:そもそもそんなチャートは振るなという意見はさておき

*2:どいつもこいつもあまり傭兵らしくないという意見はさておき

ナンニチ キミ サイクル

などと本気でシナリオタイトルを読み間違えるGMに不安を覚えつつ、セッション開始。
以下、ちょこっとプレイレポ。シナリオ片手に読んでください。


シナリオ冒頭、各地から東京へと集められる獣達。
コーディネータから指示されたミッションは「誘拐された子供の救出」。
子供の母“吉田真冬”が誘拐犯に身代金を渡す際に子供を救出せよ、との事。
引渡し場所に到着は、驚きのミッション予定時間一時間前。
「Youたち、準備はいいでーすか?」
「子供を助けるナリ」
「……はわー」
などと普通に会話をするだけで、なんだか不思議な感じです。
これが萌えヒロインチャートの威力なんでしょうか。
ともあれ、無事ミッション解決。そのまま次の仕事の依頼を受け台湾へと飛ぶ獣達。

大人限定中華風ディズニーランド

現地のコーディネーターから事前に渡された資料にワクワクしつつ*1、台湾に無事到着する獣達。
そこで待っていた第二の仕事の依頼人“吉田真冬”。えー。
「あんた誘拐されたばかりの息子をほったらかして、何でこんなとこいいるんですか」
などと無礼な獣達の非難に耐えながら吉田真冬の切り出した依頼、
それは行方不明になった双子の姉“吉田秋子”を探して欲しいとのことだった。
手がかりは秋子の残したメッセージ「私の花を探してください*2」。

*1:とても詩的。ビジネス文書的にはアウトだと思います。けど素敵

*2:この段階で秋子の花なので秋桜に違いないので秋桜を探そうと主張するプレイヤー。しかし、それはまた別の話

第三九龍城は萌えているか

秋子が失踪したという第三九龍城を彷徨う獣達。
GMから提示される“「捜索」ターゲットレンジシート*1”。
ミルフィーユの3度クリティカルで、リミットを9残して「捜索」あっさりと終了。
この間「九龍迷走フレーバーロール」などで素敵に第三九龍城を満喫する獣達。
キーワードは猿です。銃犬なのに猿です。
屋台で麺も食べます。当然二杯と主張します。


「捜索」の結果明らかになったこと。
それは、「吉田秋子が既に亡くなっている事」。
そして「第三九龍城のどこかで続く“ある”どうということのない日常」。

*1:サタスペの情報ルールっぽいかも

愚か者達の宴

さて、ここでこのシナリオは一つの終わりにたどり着きます。
姉の秋子の消息が分かった事で、吉田真冬は納得し日本に帰ると言います。
この後、セッションを続けるか否かは、プレイヤーとキャラクターに委ねられます。
今回の獣達の場合。
キャラクターの半分はミッション終了と考え、残り半分はそう決断することに迷いを感じました。
プレイヤー達は、この“愚かな”選択肢を前にどうしたものか困ってしましました。


しばらくの間、逡巡する時間が流れた後、あるプレイヤーが笑顔でこういいました。
「多分、最後までこのシナリオ遊ばないと後で後悔すると思いますよ*1。」
この言葉で、プレイヤー達の決断は決まってしまいました。


「プレイヤーはキャラクターの第六感である。」
ロールプレイングゲームの達人にあるゲイリー・ガイギャックスの有名な言葉です。
そして、ここからは第六感に導かれるまま、なんとかしてキャラクター達が
愚かな決断をするようプレイヤー達の苦闘が始まるわけです。
何故、このキャラクターが普通では考えられないような決断をするのか。
プレイヤー達はキャラクターの経歴を考え、主張を考え、キャラクター達に会話を重ねさせてみて……
そうすることでキャラクターもプレイヤーも、皆、愚か者になれました。

*1:当然、後悔するのはプレイヤー

雑感

今回のシナリオは、僕が当初想像していたガンドッグの世界とは、やや違っていました。
もしかしたら、ガンドッグの熱心なファンが遊んだら、怒るんじゃないかと思います。
ちなみに、僕の周囲でこのシナリオを遊んだケースでは、
あるチームは“「捜索」ターゲットレンジシート”に負けて、何も分からぬままシナリオ終了。
あるチームは、愚か者にならずにシナリオ終了、とのことでした。
僕らの場合、シナリオのエンディングまで至った段階で、大笑いして
皆で歓声を挙げて喜びました。なんとなく懐かしい気分になるセッションでした。


「出来る事なら何度もガンドッグでセッションを重ねて、
最後の最後でこんなシナリオで締めたら最高に面白いだろうなあ」というのが、
僕の一番の感想です。そう主張したら、後輩に思い切り否定されましたけど(笑)。


ガンドッグ、とっても面白いゲームですね。
僕らはガンドッグ大好きになりましたよ。
そんなガンドッグの初プレイ体験。